そんな元気いっぱいの亜実も、お風呂に浸かればすぐに就寝してしまう。



どこまでも手の掛からないところは、本当に助かるよね。



ここからまた、私の脳内モードが切り替わるから――




カタ、カタ、カタ…――


静まり返った部屋に響くのは、私が使っているノートPCのキーボードを打つ音。




残業時間が限られている為に、仕事を終えられないことが大半で。



それでも管理職を任されているからには、“出来ません”などあり得ない。



機密書類やらデータを持ち帰ることは、固く禁じられているけれども。




私に試験を受けさせたトップの会長という強力な味方が、バックアップして下さった。



私のウラ事情を知っているのは、会長専属の秘書さんだけだ。



色々と知られて下手に同情されたりしても、やり難いからとてもありがたい…。




そんな訳で、私の“やんごとなき事情”は、まったく知られていないのだ――