突然現れた雪から冬の手紙を受け取った俺達。


どんな想いで皆に書き綴ったのかと思うとさすがに俺まで涙腺がやられそうになり、胸の奥の疼きを抑えて冬の墓へと視線を移した。


すると同じく冬の墓を見ていた雪が振り返って、呆れた表情でフフッと笑い出す。


「兄さんの誕生日で集まるとは思ったけど、まさかこんなに本格的に祝うとはね。派手にクラッカーまで撒き散らすお前ら見付けた時、人ん家の墓でやり過ぎだろって俺ちょっと本気でカチンときたよ」


言葉ではズバズバ言ってはいるものの、何だか嬉しそうに屈託なく笑っている雪に、俺達3人は顔を見合わせてやっと笑顔を取り戻した。


そして冬の誕生パーティーもそろそろお開きという頃、クリュッグで酔いの回った春が急に雪に詰め寄り始めた。


「またこのメンバーで集まろ!だからアドレス教えてー!」


有無を言わさない春の勢いに雪が苦笑いしながら頷く。


その後俺と少しだけ複雑そうに笑う秋も雪とアドレスを交換し合い、また会う事を約束して別れた。


そんな小さなきっかけから、雪はまるで最初から仲間だったみたいにすんなりと俺達に馴染んでいった。