「……陽歌ったら…。
言い方キツイわよ。梶君はまだ本気になれる相手に出逢っていないだけでしょ?
本気で自分から好きになる人が現れたら考え方も変わるわよ」


そう思っていたい。

そして、その時に梶君が私を見てくれたらいいのに…。



そう思っていたのに…。



「ふう…ん。
おまえ、良い目してるな。
如月 陽歌か。お前のその目、好きだな。
その感じなら恋人は居るんだろうけど、気に入ったぜ」



―――ソノメ、スキダナ―――



ズキンと胸がえぐられるような痛みが走る。

足から力が抜け、立っていることが出来なくなりそうだった。