カーテンの隙間から差し込む朝日に目を細める。

いつもとなんら変わりない自分の部屋。

だけど何かが違う気がした。

そこまで考えてハッとする。


押しつぶされそうな心を優しく抱きとめてくれた筈の腕がない。

抱きかかえるようにしてぬくもりを感じていた存在がいない。


――亜里沙



慌てて体を起こして部屋を見るが亜里沙の姿は何処にもない。

シャワーを浴びている気配があるわけでもなく、まるで昨夜の肌の温もりが夢だったと錯覚する程、いつもどおりの俺の部屋は当たり前過ぎるほど静かだった。