二学期も終盤に差しかかり、

校舎をぐるりと取り囲む桜の葉が茶色く色づいて、校庭に落ち葉が舞い始めるころ、

加奈とあたし、そして別のクラスの男子ふたりとで遊園地デートすることになった。


ダブルデート。

といっても誰かと誰かが付き合っているわけじゃなく、

男子のうちの一方が加奈のことが大好きで、「1回でもいい。どうしてもデートがしたい」のだという。


自分から学年一のモテ女・加奈を誘う勇気がなく、加奈と友達の男子に頼み込み、デートの約束を取り付けてもらったらしい。

当然自分から誘うことのできないその男子が加奈とふたりきりで会う度胸など持ち合わせているわけなどなく、

もう一方の男子と共にふたりでやってくることになったのだが、そうなると加奈のほうも一人というわけにはいかない。