―――RRRR RRRR RRRR


「…はいはい!」

ちゃんと
この事を
話さなくちゃいけない人が
私にはいる

そう。

「…友紀?」


「友紀だよ?」

「友紀は親友。」

「何だそれ!まぁ…そうだけど」

少し恥ずかしそうな友紀の声

友紀って意外と照れ屋なんだよね

「親友だから言うよ」

「うん」

急に真面目な声になった


私の真剣さが友紀に伝わったみたいだ

「昨日知ったんだけど…店長と私は同じ気持ちだった。
めっちゃくちゃ嬉しくて…
あんなに特別な存在にならないって思ってたのに
昨日お互いに特別な存在になったんだ。
不思議だけど私…凄い好きで…だから…、
分かってくれる?」

うん

友紀は私の親友だから
分かってくれるよね。

「………」

「………」

親友だから


「……さくら?」

「…はい」

「私は……応援出来ない」




……応援出来ない



…何で?



「………」

…何で?

「さくらだって分かってるでしょ。」


「……」

「店長には…家族がいる、」

「……分かってるよ。」

「私は店長の事知らないから店長の事どうこう言うつもりはないよ。
たださくらが惚れた男だもん、凄い良い人だっていうのは分かってるよ?」

「…うん」

「そりゃうれしいよね?
自分の好きな人が自分の事好きなんだもんね?」

「…うん」

「普通はソレだけで付き合う条件は揃ってるよ
でも店長は家族がいるんだよ」

「…うん」

「さくらは嬉しさに負けて、逃げてるんだよ」

「…だって好きなんだよ」

「好きなのは分かってるよ?
さくらが店長の話しする時すんごい嬉しそうだもん
けど好きってだけで上手く行く訳ないよ?
好きだから我慢出来る事と出来ない事があるよ?」

「……だって…」

「さくら?

「ん?」

「決めるのはさくらだよ。
でも私なりにさくらの幸せを考えたらそういう事だから。」

「…分かった」