「ごめんね。アヤをこんなふうに危険な目にあわせて…」

私と連絡が取れないことに不安を感じたランが警察に通報してくれたのだった。

「どうして? ランがここをわかったの?」

ランに抱きしめられて苦しくて声がうまく出ない。

「私ね、アヤにやきもち妬いてたの。RYOさんちをたずねたら『アヤちゃんを変身させて読者モデルにしたいから』って言われて。なんで私じゃなくてアヤなのって思ったの。アヤに詰め寄っても絶対に口を割らないし、それで麻生君とどんどん接近しちゃうし。全部知ってたんだから。で悔しいから、バイトさせてくれないとアヤに本当のこと全部言うってRYOさんを困らせて。だってアヤばっかりずるいじゃん。RYOさんちに入り浸ってさ」

コンシェルジュが言っていたもう一人の子はランだった。

ランは私が来ない日にこの部屋に来ていた。


「ラン…ごめん…」

「違うの。謝るのは私のほうなんだから。麻生くんがアヤに振られたって知って、私、自分から麻生くんに近づいて。それで体だけの関係でもなんでもいいって納得してああいう関係になったの。私、アヤのかわりでもなんでもいいからって…。だってもしかしたらそこから始められるかもしれないじゃない。馬鹿でしょ、私…」

「ラン…。ごめん。いっぱい嘘ついててごめんね…」