「っしゃぁせぇーい!ご新規二名様ご来店でいーす!!」


「「「らっしゃっせぇーい!!」」」




活気ある店員さん達の笑顔に迎えられ、楽しそうにわいわいはしゃぐお客さんたちのテーブルの間を抜ける。


途中、唯くんを見たキレイなお姉さん達のテーブルがざわついて、私は顔を伏せた。


そのまま奥の比較的静かな部屋に着いて、私たちはカウンター席の端に案内された。





唯くんがジャケットを脱いで椅子を引く。



…相変わらず神がかった横顔。








ほんとに、

唯くんと飲みに来てしまった。









……夢?


あ、夢か。


そっかそっか、夢だ。


だって別れてから一切音沙汰なくて、4年経ったら更にイケメンになってる唯くんに飲みに誘われるって、夢じゃん。

じゃあいっぱいこのキレイなお顔見とかないと損だな…

目が覚めちゃう前にたくさん拝んでおこう。








「…座んないの?」








横顔を凝視して棒立ちになっていた私は、唯くんに流し目で言われて「あっ、は、うんっ。」と挙動不審にリュックを下ろした。