向かいの公園の中を、子供たちが浴衣を着て走り回る姿が見える。



「あー、今日か。花火大会」



歩くんが最後の煙を吐きながら言った。



「夏休み中、優花ちゃんとデートしないの?」

「…うん」

「すればいいじゃん」

「…」


したい。


したいよ、そりゃ。


でも歯止めが効かなくなりそう。


ようやく頭が受験モードになったのに、会ったらまた優花でいっぱいになって戻れなくなりそうで、怖い。



「そうやって悶々としてるのも体に悪いんじゃない?」

「んー…」


俺は頭をグシャグシャと掻き回して、葛藤する。