【ウィーン…】



真紀と琢真だけになってしまっても、エレベーターは相変わらず、機械的な音と共に降りていく。

1階のボタンしか押さなかったが、また、途中で止まるのではないかと、琢真は表示から目を離さないでいた。



「……ねぇ、琢真?」


「…ん?どうした?」


「あのさ…、あたし達、生き残れるのかな…?」


「生き残れるさ。きっと大丈夫だ。」


「でも…輝も美咲も…、あの男の人だって…!」



その先は言わなかった。

というより、言えなかったのだが、何を言いたいのかは十分に伝わった。

真紀は最後の言葉を濁したまま、続けた。



「それに、敵がいるかもしれないんでしょ!?」