「これ……輝か…?」



しばらくして、琢真がポツリと言った。

誰も返事はしなかったが、全員が輝の肉だと理解していた。

下から聞こえた叫び声は、確かに輝の声だった。



「一体、下で何があったんだ?」



また、琢真が呟くように言った。

すると、エレベーターから少し離れた場所から、震える声が聞こえた。



「…ぅう、ウィルス。」


「ウィルス?」



琢真が男の言葉を反芻すると、首を縦に振って、さらに続けた。



「…し、しし…下の階、う、うぃ…ウィルス。」


「下の階にウィルスが…?」



またもや琢真が、男の言葉を繰り返すと、男もブンブンと首を縦に振った。


何者かの故意による事件なのか、それとも事故なのか…

とにかく、事態は予想以上に危険なようだ。