時に人は嘘をつく。

 その嘘は正義か、それとも悪か。

 長い人生の中で、自分の弱さによる保身のための嘘をいくつ重ねるのだろう。
 その嘘が幸せを呼ばないことを分かっていながらも、人は嘘をつくことをやめない。やめられない。

 それを知っているからこそ大人たちは挙って子どもたちに言うのだ。
『嘘をついてはいけないよ』と。
『嘘は汚いし醜い』と、そう教える。

 そしてそう教えられた子どもたちもいつしか大人になり、また同じことを受け継いでいく。


 だから正解はきっとこうだ。
『嘘は悪、汚くて醜いもの』
 

 
 

 もし嘘が正義になることがあるのなら、それはいつだろう。
 どんな嘘なら、正義と呼べるのだろう——。