週末になるとすぐに、私は幼なじみの佐藤 (まもる)に会いに出かけた。

 護の佐藤家と、私の前田家は、昔からずっとご近所さんで、仲よしなの。

 ちなみに、護のおじいちゃんと私のおじいちゃんも幼なじみだし、護のお母さんと私のお母さんも幼なじみ。

 護の家までは、うちからスープも冷めない距離だ。

 面倒だったから、コートを着ないで、走って向かった。

 でも、息が真っ白な季節に、コートなしは流石に無謀だった。スープは冷めなくても、私の体は冷えてしまって、肩が震えた。

 インターホンを鳴らすと、護のお母さんの声がした。

「はーい! あら、玲奈ちゃん。まあ、寒いでしょ! 護なら自分の部屋にいるわよ。どうぞー、玄関の鍵はかかってないから、勝手に入っちゃってー」

 私は、『おじゃましまーす』とあいさつすると、遠慮することなく、靴を脱いで、ドカドカ家に上がりこんだ。