「ありがとう」
「どうしてありがとうなんだよ」
咲の言葉に切なく心が痛んで玲は思わず咲のベッドに近づく。

「ありがとう。どうしても言いたくて。」
はにかんでごまかすように微笑もうとする咲。
「全然笑えてない・・・」
ぎこちなく、悲しみしか見えない咲の微笑みに、玲の胸が張り裂けそうになる。
そっと咲の頬に手を触れる。

熱を帯びた咲の頬。
咲は玲の手が心地よいのか目を閉じて、玲の手に自分の頬を近付けた。

あと半年しか一緒にいられない。
その変えようのない規則。

規則を守っても、規則を破っても、どちらにしてもそばにいられない。