「まだ目を覚まさないのか」
つめたく言い放つのは咲の父である、宮ノ内グループ代表の宮ノ内政信。
「はい。医師の見解ではそろそろ目を覚ましてもいいころかと。」
真岸が代表に伝える。

「マスコミの対応は?」
「すべて宗川さんが引き受けています。記事は差し止めましたが、SNSは止めようがありません。」
真岸の言葉に政信はため息をつく。

「宗川を呼べ。」
政信の言葉に、真岸はすぐに胸ポケットに入れていた携帯電話を出した。

すぐに政信の前にあわられる玲。
「移動だ。」
「はい」
「咲の秘書兼護衛役に戻す。」
「ありがとうございます。」
「ただし、条件を覚えているだろうな。」