ケータイ小説 野いちご

迷いの森の仮面夫婦

第八章 愛する人に愛される確率


第八章 愛する人に愛される確率




年明けは漫画喫茶で過ごした。 今時の東京貧困女子みたいだ。
カップ蕎麦で年を越して、漫画喫茶に備え付けられているコーンスープで新年を迎える。

最悪の一年の幕開けだった。  最初の数日こそホテルで過ごしていたのだが、そんな生活をしていれば直ぐに貯金が尽きるのは分かっていた。

愛莉に事情を説明して、家にお世話になる事も考えたけれど今は一人になりたかったのだ。

そろそろレオパレスでも何でも良いので取り合えずの部屋を借りて、就職先を探さなくては…。

落ち込んでいたって生きて行かなくてはいけない。 今は苦しくとも、海鳳を忘れなくちゃいけない日は来る。

そうやって気持ちを切り替えて早々、愛莉から呼び出しをくらった。

「うわ、何それ…」

愛莉は私の顔を見るなり、驚いたように目を見開く。

正確に言うと、私の顔を見るなりというのは語弊がある。 整形などはしていないし、たった二週間ちょっとで激やせもしていない。

愛莉は私の髪を見て驚いたのである。

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