ケータイ小説 野いちご

国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜

雷斗くんの更なる正体

 楽しかった文化祭も終わり今まで通りの壁のような日常に戻ると思っていた。


「羽花、また明日〜!」


「あ、明日香さんっ、さようなら!」


「羽花ちゃん、バイトファイト〜っ、バイバイッ」


「しおりさんっ、ありがとうございます!」


 今までとは違う日常を毎日過ごしている。学校で友達と話すことができている。なんだか不思議な感覚だ。


「羽花、帰ろうか」


「雷斗くんっ、はい!」


 まだまだ自分に自信なんかは無いものの、本当の彼女として雷斗くんの隣に並んで歩けている幸せ。最初のころの突き刺さるような痛い視線は殆ど無くなった。明日香さんいわく生徒の間で雷斗くんと私は学校の公認カップルとなっているらしい。


 ……公認カップルだなんて、恐れ多いけど皆さんに認めてもらえて嬉しいです。


「雷斗くん、本当に一人で病院大丈夫ですか?」


 今日はやっと雷斗くんの怪我をした右手のギプスが取れる日だ。でも私はこの後バイトで一緒に病院に行くことが出来ない。


「大丈夫に決まってんだろ。子供じゃないんだから」


「そ、それはそうなんですけど……」


 大事なことをまだ私は雷斗くんから聞いていない。すっかり急な同居生活に、彼女宣言、クラスでのことや文化祭で忘れかけていた。雷斗くんの腕の怪我が治ったらこの同居生活は終わりを迎えてしまうんでしょうか……最初の頃はそう言っていたはずです。


 でも……もしそうだと思うと両思いになって、付き合ってはいるものの、離れるのが怖くてどうしても聞けない。雷斗くんからもまだそのことについては話題に出してこない。だから私も自分からは決して聞かない、聞きたくない。


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