「…わ…っ!あ…ッつ!!」

ちいさく叫んだと同時に鳴る、玄関のチャイム。

…やっぱり、今日も早く、ないですか?

玄関の横の摺りガラスには、見慣れた人影。

とりあえず、左手を背中に隠して、ドアを開けた。

「おはよう、ござい…ます?」

いつもの笑顔の律さんは、私の変化にいつも目ざとい。

「どうしたんですか?それ」


言いながら、私の髪の毛をひと束、自分の指に絡ませた。