「おじいちゃんとおばあちゃんに会いたい」



 中学生になって初めての夏休み、「夏休みは何がしたい?」という僕たちの質問に対しての舞花の答えだった。

 舞花にとっての「おじいちゃんとおばあちゃん」とは、歩美の両親のことだ。

 僕の両親のことは「じぃじとばぁば」と呼んで区別していたからすぐにわかる。

 歩美の両親は、僕たちが住む町から電車で三駅ほど離れた場所に住んでいる。

 そしてそこは、僕たちが三年前まで住んでいた町でもあった。