ドクドク、ドクドク、けたたましい。


歩き方、わからない。


どんな顔、していればいい?



ドクドク、ドクドク、うるさい心臓、


大丈夫、幸いフワリくんは友達たちと話しこんでる。



大丈夫。



だいじょう、





「、…」


「……」




チラッと見た……つもりだったのに、


また、……目が合った。



「ななー、何してんの、早く行くよー」



数メートルも先にいるみんなが、私を呼ぶ。


恐らく火照っている顔を隠す様に、みんなのもとへ駆けて行った。



「なに、どしたの顔赤いけど」

「フ、フワリくんが、…!」

「えっ、フワリくんなんていた?」

「うそ、気づかなかった」



フワリくんに恋をしていない人からしてみれば、どこにいたって気づかない。


恋をしている私からみれば、どこにいたって気づくのに。


人間とは、なんて不思議な生き物なのでしょう。