「りっちゃん、テストの結果はどうだった?」
「見たいなら見ても良いよ」
「うっわ。お前、そんな頭良かったっけ?」


地獄だったテスト週間を終えた。月曜日から3日間を通して行われたテストは、その週の金曜日にはほとんどの結果が分かる。今日は既にに採点を終えた3教科の解答用紙が戻ってきていた。

戻ってきた結果にげんなりと顔を歪ませた桔平。どうやら思っていた以上に点が良くなかったらしい。そんな彼に僕はドヤ顔をしてテスト結果を突きつけた。


「すずちゃんとの密会を重ねた賜物です」
「ただの勉強会だろ」
「僕にとってはデートだったの」
「あーはいはい」


結果は最高得点。なんと全教科80点越え。すずちゃんと一緒に力を入れて勉強した日本史は98点を叩き出した。先生のあの驚いていた顔は見事だった。

どれもこれも彼女のお陰だ。テストが終わった後に「日高さんのお陰で良い線いったと思う」と連絡したら、「月島くんが頑張ったからだよ」と返ってきた。うーん、優しい。好き。大好き。

すると桔平はお手本のような呆れた表情をする。


「そんで、お前から見て日高さんは脈ありなの?」
「脈あり?」
「りっちゃん、絶対に告白が成功するとか思ってるの?」

まぁりっちゃんなら断る女なんていないと思うけどさ。そう言って口をへの字に曲げる桔平に僕は告げた。