‥‥‥数時間前。



「えーっと、す?いや、ひ、平野さんだっけ。ちょっといい?」



昼休み中、

高校に入って一年の間にできた、数少ない友達と教室でご飯を食べていたとき、

学級委員長に呼ばれた。



「うん。わかった。」



あれかな?


今日日直だから

先生に『学級委員長と日直で手伝ってくれ』って言われたのかな?

で、私を呼んだと。



にしても、一応クラスメイトなのに名前覚えられてないって。

さっすが私(涙)



平凡✕一兆ぐらい平凡すぎて、影が薄いな‥‥‥。



別に嫌だな、とか思わない。



むしろ誇っているから!

平凡なこと誇ってるから!



「じゃ、私行くね。」



「いってらー。
早めに帰ってこないとお弁当食べちゃうからね。」



「え、ひど。」




と、友人たちに断りを入れてから

教室を委員長と出た。






仕事って何するんだろう?

そう尋ねようと口を開いたとき、あの人はいた。



「あれ?委員長と平山さん?めっずらしー。その二人でいるの。」


「ああ。小田巻くん。ちょっと用事が。」


「へー。」



小田巻くんだ。


彼は、うん。

少女漫画のヒーローみたいな人。




これしかいいようがない。

勉強、顔面、運動神経、性格。

なにをとっても悪く言いようがない。

そんなクラスメイト。



たまにもったいないな‥‥‥と思うのは

結構クールなとこがあるとこぐらいで

あとはホントすごい。




そんな彼の凄さは

私の名字を言えたことから伺える。


なにせ、私の名前を考え込まないでいえるって

相当すごいからな〜!




いつも間違えられるか、


委員長みたいに言い淀んでから名前を言うかっていうのが


今までのクラスメイトの反応だからな〜笑




間違えないで私の名前を言うのは友人ぐらい。




それを考えると小田巻くんって改めてすごいな〜と思う。
(あとちょっと悲しくなった。)



しかも、それでイケメンとくる。

恐れ入る。


バレンタインのチョコの数すごそう。









本当にかっこいいな〜。












と、このときの私は思っていた。