朝から落ち着かない。


歯ブラシを片手にウロウロしてしまってる。


『佑都、さっきから何ソワソワしてるの?』


『んっ?!』


突然母に背中を叩かれ驚いた。


すぐに口をゆすぐ。


『もしかしてデート?』


ニタニタして顔を覗き込む母に対して、


『や、やめろよ』


そう言いながら、顔はひきつってるだろう。


『陽愛ちゃんと会うんでしょ?もういい加減告白しなさいよね~いつまでもウジウジしないでさ』


『ま、マジでからかうな。そんなんじゃねえよ。あいつは…』


一瞬、戸惑った。


『佑都はまだまだ子どもだね~早くお父さんみたいにイケメンで男らしい人になりなさい』


母はやたら父をほめる。


うちも…陽愛のとこみたいに夫婦の仲がいいと思う。


子どもの俺が言うのもなんだけど、父はマジにイケてるし男らしい人だから、そういう人になりなさいが母の口ぐせなんだ。