「バカ、悠!逆効果だろうが!」


そんな赤髪に、拳骨をお見舞いする茶髪のツーブロの男。ふふっ、赤髪ざまぁみろ!


「……てめぇら」


ニヤニヤしていると、今度は黒髪に金メッシュの男が女子の前に立ちはだかる。

すらりとした体から立ち上る、殺気を含んだオーラ。

冷たいオーラに勘づいて、女の子たちが一歩身を引いた。


「この高校で“雷神”に媚びようなんて、甘ったれたこと考えてんじゃねえぞ」


さっきまで笑顔だったお嬢様たちは一変。

動けなくなったのか固まっていた。


「目ぇつけられたくなかったら、さっさと失せろ」


なんてこった……私はどうやら、とんでもない高校に来てしまったようです。

辺りはさっきの勢いはどうしたのか、沈黙に包まれる。


「……聞いてんのか、てめえら」

「っ、ひいっ…!?」


1歩前に足を出す金メッシュ。

するとある子は悲鳴を上げて、ある子は涙目になって散らばって逃げた。