「……てめえら」


オーラをまとわせ、ゆらりと睨みをきかせる。

視線の先は、すっかり怖気づいたヤンキーたち。


「力の差が分かったんなら、とっとと行け」


それでも武器を片手に奴らは動かない。

ううん、違う。恐怖で動けないんだ。


「失せろって言ってんだろうが」


声を荒げずとも、辺りには殺気が充満する。

こいつ強い、と本能が察してつばを飲み込んだ。


「あ、う……退け!早くしろ!」


たまらず弱っちいヤンキー集団は負傷者を抱えて退いて行った。

よし、一件落着ということで私も退散!って立ち上がったけど前に進めない。


「あれ?あれれー?」


おかしいなー、首の辺りが苦しいぞ?


「お前は残れ」


ふと気がつくと、私は再び黒髪に捕らえられていた。

って、なんだって!?