避難訓練で4校時目がほとんど無くなってそのまま給食だったらしいけどずっと保健室にいた私には恐怖と授業に出れなかった罪悪感しか残っていなかった。
学校が終わって私は部活に行かずに家に帰った。きっと、お母さんに連絡がいってるはずだから、早く大丈夫な姿をみせないと。と思って。
「ただいま。」
「おかえり。って瑚々、部活は?もしかして調子悪いの?」意外にも、お母さんに連絡はいっていなかった。今日のことを話そうか迷ったけど酷く心配するだろうから「大丈夫」とだけ言って部屋に続く階段を上った。
部屋に入ったときにはある決意を固めていた。
夏月先生に病気のことを話すこと。きっと不自然に思ったと思う。
起きたと思った生徒が目の前で急に眠ったから。明日、ううん、今日のうちに華鈴ちゃんには話しておこう。お母さんより心配させてるはずだから。
そう思って私はすぐに華鈴ちゃんとのトーク画面を開いた。一緒に訓練できなかったことを謝ると思ってもいなかった返答が返ってきた。
「「宮槻も心配してたよ」」
と言われ、なんで香澄くんが倒れたことを知ってるの?と返した。今日の避難訓練のとき廊下で気を失っていた私を見つけて先生を呼んでくれたのは香澄くんだった。
「すっごい焦ってたよ。人数が1人足りなくてその人をすぐ瑚々だって気づいて探しにいったんだから」
そうだったんだ。てっきり先生が......。でも・・・香澄くんにはお礼は言うけど病気のことはまだ言わないでおくことにした。
次の日になって、私はHRが終わってすぐ、夏月先生に昼休み話したいことがある。と言って話す約束をした。
朝、薬を飲んだことを薬メモに書き記していると隣から視線を感じた。
ふっと隣をみると香澄くんと目があった。
『それ何書いてるの?』と薬メモを指差しながら聞いてきたのでまだ病気のこと言ってない香澄くんには、今日の一日の予定を確認していた。と伝えた。でも、嘘をついてしまったことの罪悪感はいつまでも残って不思議な感覚。