「やっぱり蒼、お菓子作りはすごく上手いよね」

 日曜日のお茶会練習。僕達は雅ちゃんのお家をお借りしてお菓子とお茶を作っていた。

 かちゃかちゃとかき混ぜながらお菓子をまた一つ、また一つと作っていく僕を見て雅ちゃんはそう言ったのだ。

「え! 本当に!? ありがとう雅ちゃん! 大好き!」
「はいはい。でもやけどすると危ないから抱きつくのはやめてね?」

 そう言った雅ちゃんの手を見ると、手元にはポットがある。慌てて手を離すと「いいこ」とほめてくれた。

「ほんと二人って俺がいること無視してイチャラブするの好きだよね」
「イチャラブじゃないから」
「え、僕は雅ちゃんのこと大好きだけど?」
「それでもイチャラブじゃない」

 その反応に湊人くんはくすくすとお上品に笑う。その笑いに雅ちゃんは不満なようで、不機嫌そうな顔をしていた。