放課後ＴＬクラブ

救出作戦

「いってきま～す」


「あら、今日は土曜日なのに早いわね。いつもは起こしても『もう少し～』っていいながらお寝坊なのに」


「そ、そんなことないもん。と、とにかくいってくるからね」


「はいはい。気をつけて遊んでらっしゃい」


翌日の土曜日。

お母さんの言う通り、あたしは早朝から家を出た。
もちろん行き先は学校。

休みでも来ている先生は何人かいるみたいだから、門は開いていて簡単に中に入れるの。

なんで知っているかって？　

それは、４年生の時に勝手に校舎に入って蓮と遊んだことがあるから。
すぐに見つかってお説教されたんだけどね……。

まあ、それはいいとして、あたしは校舎の四階奥へ向かう。
【ＴＬクラブ】のプレートのかかった壁に手を触れると、指先から向こう側へ体がすり抜けていく。

抜け出た先は、すべてが普通の教室の半分サイズで作られた【小さな教室】。

中で待っていたのは、


「やっと来たか」


「あみお姉ちゃん、お寝坊なの」


幼なじみの蓮と学校の座敷童子のリコちゃん。

ＴＬクラブの仲間であり、昨日起きた誘拐事件を解決するための救出作戦決行チームなのです。

え？　なんでそんな言い方するのかって？

それはね。昨日別れ際に春音くんが言ってたの。


『今回の事件、救出でぼくは動くことが出来ない。だからあみに蓮、それにリコで解決してもらうしかない。３人が救出チームだから、くれぐれもケンカとかはしないでくれよ』


と言うわけなのです。