瑛多に指輪をもらってから1週間後。朝、下駄箱にいくと1つの紙切れが入っていた。
『藤井日葵さん。話したいことがありま。放課後に3年3組の教室でいてください。』
そんなことが書かれていた。3年3組。私の教室だ。相手の名前が無いから誰なのか分からない。
人間違いなんかじゃないことも確か。私の名前がフルネームで書かれている。どうしたらいいんだろう。とりあえず放課後教室でいればいいはずだから一応待っておこう。相手が分からない以上無視するわけにはいかない。
「おはよ!日葵。ん?どうかしたのか?」
急に背後から聞こえる瑛多の声にビックリしたのと同時に紙切れを制服のポケットに隠した。
「お、おはよう!ううん、なんでもないよ。」
こんなこと瑛多に言えるはずがない。
そんなこんなでむかえた放課後。自分の教室でもあるから荷物の準備をいつもよりもゆっくりして手紙の相手を待つ。
ーガシャ
教室の扉が開く音がした。
「ごめん。待たせた。」
反射的に相手の方を向くとそこ人物には見覚えがあった。たしか、えーと。
「俺のこと分かる?中村翔琉。瑛多と同じテニス部。」
そうだ。テニスの試合で見たんだ。
瑛多と中村君はとても仲が良くていつも一緒にいる。中村君もカッコよくて成績も優秀で瑛多と2人でいるととても画になっている。
「知ってるよ。瑛多と仲良しだもんね。」
瑛多の名前を出すと顔が強ばった感じがした。気のせいかな…?
「あのさ。藤井のことが好きなんだけど。今すぐに返事はしなくていいからさ。考えてくれない?俺本気だから。」
予想はしていたけどいざこの状況になるとどうしたらいいか分からなくなる。相手のことを全然知らないのに好きとか嫌いとかは言えない。だからこそどうしたらいいのか分からない。
「…中村君のこと全然知らないからさ、何とも言えないんだけど、ありがとう。」
YESでもNOでもない返事に戸惑わせてしまうのは分かっとる。でも返事は出来なかった。
「俺頑張って知ってもらおうと思う。俺のことを好きにしてみせるから。覚悟してね。」
そんなことを言える彼を凄いと思ってしまう。
「まずはさ、俺のこと名前で呼んで欲しいんだけど……翔琉。ダメかな?」
急にそんなことを言われても……
「すぐには無理かもだけど…頑張るね。」
「俺は藤井のこと日葵って呼んでもいい?それぐらいしないと格好つけられねぇじゃん?」
ひ、日葵…?!急な展開には追い付けない。
「それぐらいならいいけど……」
「まじで!やったぁ。覚悟しといてね、日葵。遠慮しないよ。」
そう言って中村君は教室を出ていった。
その瞬間緊張の糸が抜けて疲れが一気にきた。
はやく、帰ろう。荷物を持って教室を出た。
『藤井日葵さん。話したいことがありま。放課後に3年3組の教室でいてください。』
そんなことが書かれていた。3年3組。私の教室だ。相手の名前が無いから誰なのか分からない。
人間違いなんかじゃないことも確か。私の名前がフルネームで書かれている。どうしたらいいんだろう。とりあえず放課後教室でいればいいはずだから一応待っておこう。相手が分からない以上無視するわけにはいかない。
「おはよ!日葵。ん?どうかしたのか?」
急に背後から聞こえる瑛多の声にビックリしたのと同時に紙切れを制服のポケットに隠した。
「お、おはよう!ううん、なんでもないよ。」
こんなこと瑛多に言えるはずがない。
そんなこんなでむかえた放課後。自分の教室でもあるから荷物の準備をいつもよりもゆっくりして手紙の相手を待つ。
ーガシャ
教室の扉が開く音がした。
「ごめん。待たせた。」
反射的に相手の方を向くとそこ人物には見覚えがあった。たしか、えーと。
「俺のこと分かる?中村翔琉。瑛多と同じテニス部。」
そうだ。テニスの試合で見たんだ。
瑛多と中村君はとても仲が良くていつも一緒にいる。中村君もカッコよくて成績も優秀で瑛多と2人でいるととても画になっている。
「知ってるよ。瑛多と仲良しだもんね。」
瑛多の名前を出すと顔が強ばった感じがした。気のせいかな…?
「あのさ。藤井のことが好きなんだけど。今すぐに返事はしなくていいからさ。考えてくれない?俺本気だから。」
予想はしていたけどいざこの状況になるとどうしたらいいか分からなくなる。相手のことを全然知らないのに好きとか嫌いとかは言えない。だからこそどうしたらいいのか分からない。
「…中村君のこと全然知らないからさ、何とも言えないんだけど、ありがとう。」
YESでもNOでもない返事に戸惑わせてしまうのは分かっとる。でも返事は出来なかった。
「俺頑張って知ってもらおうと思う。俺のことを好きにしてみせるから。覚悟してね。」
そんなことを言える彼を凄いと思ってしまう。
「まずはさ、俺のこと名前で呼んで欲しいんだけど……翔琉。ダメかな?」
急にそんなことを言われても……
「すぐには無理かもだけど…頑張るね。」
「俺は藤井のこと日葵って呼んでもいい?それぐらいしないと格好つけられねぇじゃん?」
ひ、日葵…?!急な展開には追い付けない。
「それぐらいならいいけど……」
「まじで!やったぁ。覚悟しといてね、日葵。遠慮しないよ。」
そう言って中村君は教室を出ていった。
その瞬間緊張の糸が抜けて疲れが一気にきた。
はやく、帰ろう。荷物を持って教室を出た。