「今日は社にあいさつ回りや」
そう言って先輩は空港近くで予約していたレンタカーを借りた。
「行くで」
「はい」
運転席に座る先輩の隣に座り携帯のナビで目的地を検索する私。
「15分くらいかかるそうです。」
「了解。先方に連絡してくれるか?」
「はい」
最近、先輩との呼吸があってきていることを感じる。

「この出張で新しい企画、つかみたいな」
「はい」
一緒に目標に向かって歩めることに、私は喜びすら感じながら向き合っていた。

「少しだけ私用の連絡をしてもいいですか?」
「あぁ」
ショートステイを使っているおばあちゃんに連絡を入れて、私は状態を確認した。
職員の人から友達と一緒に今日は保育園の子供たちとの交流会に参加していることを聞いて安心してから電話を切ると、先輩が私の方を見て申し訳なさそうに謝った。

「ごめんな。出張、大変やろ?」