【緋和side】

「──ねえ、緋和。緋和ってどんな人がタイプなの?」


「タイプ?」




次の日のお昼、いつも通り中庭でお弁当を食べていたら円香にそう問いかけられた。




タイプ、か…

あんまり考えたことがないから返答に困って私は黙り込む。




「んー…まあ優しい人、かなぁ」


「えぇ、すっごいフツーだ」


「えぇ?そういう円香はどうなのよ」




優しければ別にルックスなんかどうでもいいし、他に特に思いつくことは無かった。




「私はねぇ〜!キリッとしてて、鼻が高くて、私より20cmくらい背が高い人!」


「うわぁ、全部外見…」




タイプってそういうものなのかな。


キリッとしてて背が高くて…なんて、芸能界以外にいるんだろうか。




…あ、でも。昨日のクスノキさんとかあてはまるかも。




背は私よりも全然大きかった。


多分175cmくらいあるんじゃないかな。



思い返してみれば目元はキリッとしてたし、鼻も高くて、芸能人レベルでイケメンだった。


なんて言ったら円香が大興奮するから言わないけど。