「……はぁ」


「なんでそんなにため息ついてるの?」


「借り物競争やりたくないなって」


「なっ!?それ飴食いをやるあたしの前で言う!?」



季節はめぐり、もうじき夏休みになるところ。
私は本日何度目になるか分からないため息をついた。



ため息の理由はもちろん文化祭で行われる体育大会で借り物競争になったからじゃない。



むしろ自分から借り物競争に志願した。
他の種目はけっこう激しいし、二人三脚とか団結したのは嫌い。



お題に合った人を連れてくるだけの簡単な種目、やらないわけにはいかない。



体育大会は学年ごと行い、クラス対抗。
ちなみに澪は飴食いで、澪からタスキをもらって借り物競争をする流れになった。



片栗粉を顔面につけて私のところに走ってくる澪が想像できて怖い。



ふっと笑ったら澪に頬をつままれた。