『ただいま』


『おかえりなさい、祥太君。楽団の練習終わるの早かったんだね』


『うん、連絡しなくてごめんね。急に早く終わることになったから…急いで帰ってきた』


手を洗ってから、祥太君は席についた。


『美味しそうなサンドイッチだね』


『あ、颯君の差し入れだよ。良かったら食べてね』


『颯の?そっか…うん、もらおうかな』


私は紅茶を入れて、祥太君の前にマグカップを置いた。


『ありがとう、結菜ちゃん。いただきます』


私は、祥太君が今朝何か言いたそうだったことを思い出した。


今、聞いてもいいのかな…


ちょっと躊躇してモジモジしてたら、祥太君の方から言葉を投げてくれた。


『結菜ちゃん、ごめんね』


え?


『朝のこと、気にしてくれてるんだよね?』


『えっ、あ、うん。何か言いたそうだったから…』


『心配してくれてたんだ…やっぱり結菜ちゃんは優しいね』