でも,仕方のないことです。

汚らしいのが人間ですから。

「ざまあみろ…」

死神様は感情のこもっていなさそうな声で,ポツリと呟きました。

死神様の横顔がぱっと明るくなりました。

もう,夜明けが始まっているのでしょう。

死神様は1つだけため息を漏らして,明るくなり始めたこの世界をゆっくりゆっくり歩き出しました。