早苗の試験が 終わって 結果を待つ日々。

早苗は 全力を尽くしたからと 

案外 あっけらかんと していた。


「落ちたら 来年 またチャレンジするから。」

「大丈夫。受かってるよ。早苗 あんなに 頑張っていたじゃない。」

「うん。やるだけやったから。あとは 運次第かな。」


俺達は 一緒に暮らす準備を 始めた。


2人で決めた新居は 

早苗のアパートと 同じ街で。


駅からは 少し遠くなるけれど

結婚しても 住み続けられるように

2DKのマンションを 選んだ。


「色々 足りない物があるでしょう。早苗 買う物を リストアップしておいて。」

「今ある物で 大丈夫だよ。逆に 電気製品とか 2人分だから 余っちゃうよ。」

「冷蔵庫も洗濯機も 俺達の 小さいでしょう?この際 ファミリータイプのに 変えた方がいいよ。長く使えるように。」


早苗は ポッと頬を染める。


「早苗のご両親に 挨拶しないとね。」

「んっ?雅也…?」

「帰りに 俺の実家にも 寄るか。早苗を紹介したいから。」

「本当に…?私でいいの?」

「もちろん。早苗は?」


瞳を潤ませて 頷く早苗が 愛おしくて。

俺は 早苗を抱きしめてしまう。


早苗に 会えなかった時間を 思うと

俺は 一瞬でも 早苗と離れたくなくて。


もう 躊躇しない。


再会できたことは 偶然じゃなくて

運命だって 俺は 思っていた。