クリスマス直前の 金曜の夜。

早苗を 諦めることもできず。


他に 恋人を作ることも できない俺は

恋人達で 賑わう街を 家に急ぐ。


いつもと変わらない 週末。


途中で 買ってきた お弁当を食べて。

缶ビールを 飲んで…


何も やることがないまま

テレビを点けて スマホを眺める。

クリスマスだというのに。


今頃 川村は 早苗とデートをしているのか…


今夜は 人気のレストランを 

予約したと 川村は言っていた。

「良い雰囲気に持っていって 早苗の部屋に 行きたいんだ。」

「焦んないで 頑張れよ。」


今夜 早苗は 川村に抱かれるのか…

俺の心から 早苗は 簡単に消えない。


ぼんやり 見ていたテレビから

クリスマス一色の 街角が流れ。


あの中に いるであろう 早苗の 

幸せな笑顔を 想像して ため息をつく。


こんなことなら 俺も 早苗に告白すれば よかった。

言葉にすることも できないくせに

諦められない 女々しい自分に ウンザリして。


2本目の 缶ビールを開けた時

ラインに メッセージが入った。