お祭りを楽しみ、英語を英美里に教えてもらってから、未来たちの距離はグッと縮まったような気がする。互いに名前で呼ぶことなどを話して決めた。

「未来、今日すごかったね!」

ホームルームが終わった後、未来は友達に話しかけられた。その顔は驚いたような顔だ。

「すごかったって何が?」

首を傾げる未来に友達は「今日の英語の小テスト!七十点も取ってたじゃん!」と言う。友達の言葉に未来は「ああ、友達に教えてもらったんだよ」と笑った。頭の中に英美里の顔が浮かぶ。

「ええ〜!英語得意な友達がいるの?私も英語教えてもらいた〜い!」

友達がそう言うが、英美里が住んでいるのは大阪で、未来と英美里が会うことができるのは小説の中だけだ。

「紹介したいのは山々なんだけど、その子大阪に住んでるんだよね」

「へえ〜、他県に友達がいるんだ!すごい!」

友達にそう言われ、未来は微笑む。すっかり友達である英美里を褒めてもらえるのは嬉しい。