こわばる頬を上にあげ、なんとか珀斗くんに笑顔を向ける。
「じゃあね」って意味を込めて。
でも、サヨナラの合図は気づいてもらえず
「雅さ、今から時間ある?」
「え? あ、あるけど……」
「じゃあさ、ちょっと付き合え」
珀斗くんから退散するつもりが、誘われてしまいました。
どどど、、、どうしよう……断る?
断るにしても、理由が思いつかないよ。
時間あるって、答えちゃったし。
恐る恐る、珀斗くんの顔をちらり。
ㇶェェェェ!!
まだ、睨まれているぅぅぅ!
そんな鋭い瞳で睨まれたら、逆らえる人なんてこの世にいないのに。
ライオンに食べられそうになっている、ウサギのよう。
俺は体をぶるぶる震わせながら、恐る恐るうなずく。