「明日のホームルームの時間に席替えするぞ〜」


放課後。
担任の先生のひとことで、クラスは一気に騒がしくなった。

席替えをしたいと思っている人が大半を占める中、『したくない』という声も聞こえてきた。


由良ちゃんは口を閉じていたけれど、その表情はどこか悲しそうである。


どうか席替えした後も、由良ちゃんと宮永くんは近い席になりますように。

そう願わずにはいられなかった。


「明日ついに席替えか……そういえば2年になってからもう1ヶ月経つもんね」

「そうだな」


その日の帰り道。
同じ電車に乗れた私たちは、一緒に家まで帰っていた。