果たしてあれは夢だったのだろうか。


悠くんと仲直りした日。
ろくに眠れていなかった私は、悠くんに抱きしめられていると自然と眠気が訪れてきて。

気づけば眠っていた。


問題はそのあとのことである。
それはやけにリアルな夢だった。

悠くんが私から離れるといった趣旨の話を誰かとしていて。


ぜったいに嫌だと思った私は、泣きそうになりながら悠くんにしがみついていた。


すると悠くんは私のそばにいると言ってくれ、安心した私は笑い、それから……。


日が経つごとに、夢の内容は曖昧になっていく中。
どうしてもキスをされた夢だけは鮮明に覚えていた。

今でも唇が重なり合う感触を思い出せそうだ。