会社に着くと、何人かに声をかけられた。
どうやら体調不良で午前休みを取ったことになっているらしい。

「岡田さん、大丈夫なの?無理しないでね?」

「山本さん…おはようございます!大丈夫です!ご迷惑おかけしてすみません」

二日酔いで休んだなんて、死んでもいえない。
この醜態、失態の事実に時効はない。そう思った。

PCの電源をつけ準備をしながらたっくんの姿を探す。
席に座り、PC画面に集中していた。

財布に入れたたっくんの部屋の鍵を思い出す。
大事なものだから直接返したいけれど、いつ渡そうか…

二人きりのタイミングで渡したい。
人がいる前で渡すのはリスキーすぎる。

そんなことを思っていると、PCに集中していたはずのたっくんが立ち上がりフロアに声を響かせた。

「時間になったからプロジェクトメンバーは会議室へ」

あ、そうだった。
午後からミーティングがあるって言っていたな。

メモとボールペンを持ち会議室に向かう。

たっくんが、メンバーが揃ったこと確認すると、ゆっくりと口を開いた。