・・・





「千色、ここんとこ変だぞ」


大吾と向き合って晩御飯を食べていると唐突にそう始まった


大吾に言わせると私は変らしい

ボンヤリしたかと思ったら
深いため息を吐き続け

左右に頭を振る

用事もないのに携帯のロックを解除して待ち受け画面を見ている


「・・・気付いてないかも」


「だろ?やっぱ変だぞ?」


変なのは自覚している
たぶん、いや・・・間違いなく
永遠のことを考えてる

それも暇さえあれば


「修学旅行が楽しみなのかな」


「いや、楽しみって顔じゃねぇ」


「そっか」


間違いなく永遠が原因だね


でも・・・

私から距離を置いたの


だから・・・

私が落ち込むとかおかしい

これで良かったと思うのに

良くないって胸が騒ついて

私の気持ちを揺らし続ける


「三ノ組の坊のことか」


「・・・・・・うん」


「なんかあったか」


「うん」


大人として線引きしたことを話すと
大吾は黙ってしまった


「先生とか生徒とか大人とか未成年とか
都合の良い言い訳を並べて
狡い大人の見本みたいだね」


「三ノ組の坊はなんて?」


「言いたいことはそれだけかって」


「そうか・・・・・・なぁ千色」


「ん?」


「三ノ組の坊のこと好きか」


「・・・っ」


唐突に聞かれた気持ちに
唇は開いてはくれなかった


「・・・・・・千色」


その代わりにポロポロと溢れる涙は
大吾の質問に答えていて

胸がギュッと苦しくなった