「起きたか」


「・・・ん、何時?」


「17時」


「・・・・・・へっ?」


「頭、どうだ?」


「あ、もう平気みたい」


「そっか、良かったな」


「うん」


「起きられるか?」


「うん」


頭痛薬を飲んでタップリ寝たお陰で
頭の痛みは消えている

泥酔女を介抱してくれた上に
ベッドまで提供してくれたトワさん

いや・・・トワ君かな?

一宿一飯の恩義に報いるのは
家に帰ってゆっくり考えよう


「着替えるか?」


「ん?」


「寝てる間に洗濯出来てるぞ」


「嘘」


「ほら」


壁に視線を向けるトワ君を
追いかけるように見ると


・・・ん?


壁際に見覚えのある
ワンピースとカーディガンの色が見えた


そういえばお風呂から出た後で
脱いだ服を回収し忘れてるっっ

今更ながら恥ずかしさが襲ってきて
みるみるうちに顔に熱が集まった


「ん?どした千色」


「あ、・・・ん・・・と
もしかして洗濯は・・・下着も?」


「あぁ、下着だけ洗わないって
逆に怖えぇだろーが」


それもそうか


「てか、顔真っ赤」


「・・・だ、だ、だって
見ず知らずの家で洗濯までして貰うって
恥ずかし過ぎるんだもん」


両手で頬を挟んで悶える


「クッ」


吹き出すように笑ったトワ君は


「千色、可愛いのな」


そう言うと頭をポンポンと撫でた


「・・・っ」


見えないけれど間違いなく
トワ君は笑ってるはずで

その端正な顔を想像するだけで
更に顔に熱が集まるのが分かった