ケータイ小説 野いちご

訳あり冷徹社長はただの優男でした

本物の家族

この生活がすっかり板についてきた時だった。
突然知らない番号から着信があり、私は首を傾げた。基本的に知らない番号からの電話は取らないのだが、時間を空けて何度もかかってくる。
取るべきだろうかと考えて、ふと、もしかして姉かもしれないと思った。

私は疑いながらも出てみる。

「もしもし?」

「橋本美咲さんの電話ですか?」

女性の声ではあるけれど、姉ではない。

「私、有紗の友達の牧内といいます。」

「お姉ちゃんの友達?!」

思わず携帯電話を落としそうになり、慌てて握り直す。
姉ではなく姉の友達から電話とは、一体どういう事だろうか。もしかしてこの人も姉を探していたりするのだろうか。

「あの、どういったご用件でしょうか…?」

「申し訳ないんだけど、会って話したいことがあります。できるだけ早く。」

「どういうことですか?」

「有紗には時間がないの。」

「はい?」

牧内さんは、とにかく時間がない、会って話したいの一点張りで、どうにもらちが明かない。

不審に思うも彼女の必死さに負けて会うことにした。それに、今まで音信不通で行方不明な姉なことを牧内さんは知っているようだ。これは姉の情報が手に入る、またとないチャンスではないか。

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