「行ってきます♪」



「ゆず、早いんじゃないか?それに車もまだこの時間では着ていないだろう」



ワイシャツ姿でネクタイを締めようとしている琉聖が言った。



「うん 琉聖さん、車も要らない 電車で通勤するから 運転手さんに謝っておいてください」



そう言いながら慌ただしげに玄関に向かった。



「ゆず・・・」



柚葉がこうと決めたら引かないのはわかっている。



今は話をしても無駄だ。



「ごめんなさい 琉聖さん 大丈夫だから・・・行ってきます♪」



背伸びして琉聖の頬にキスをすると出て行った。



閉まるドアを見て琉聖は重いため息を吐いた。