狼が剥き出しにした欲望。


瞳は情熱にゆらゆら揺れている。




「壱華が欲しい。欲しくてたまらない」



耳元で吐息混じりに呟く志勇。


首筋に鼻をこすりつけて、それから舐めるようにキスをした。




「……っ」



弱いところだって、知ってるくせに。


わざとらしくリップ音を立ててその行為を繰り返す志勇はそのうち、服の中に手を滑らせる。


脇腹を指でつたうように触れて、弱い箇所を攻めてくる。


この人、本気なんだ。



「ま、待って……」



そう感じると怖気付いてしまったわたし。


だけど志勇は顔を離して、いたって冷静にため息。



「だから、傷が治るまで待つって言ってんだろ。どうせそんなことだろうと思ったからな」



やれやれと肩をすくめる志勇は意気地なしのわたしに対し、そっと肩に手を置いた。


……我慢、してくれるんだ。やっぱり優しいし紳士───




「ってことで、今日から風呂一緒に入ろうな」

「は?」




いいや、前言撤回。