鼓膜を震わすその声は、鎖に縛られたごとく体の自由を奪った。







「壱華?」





何度も何度も夢の中に現れたあいつらが、目の前にいた。



「どうして、ここに……」



目を見張るその男は、金色だったはずの髪を真っ黒に染めていた。


だけどその顔は、その目は、決して忘れられない。





「壱華……壱華なのか!?」



その後ろから垣間見えたのは、赤。


血の色をした真っ赤な髪。


目にした直後、腹の底が縮み上がって息が苦しくなる。







最悪の記憶を植え付けられた、黒帝がいる。




理叶と、光冴が、ここにいる。