手を下げると洸が立ち上がって微笑んだ。

洸「考えるより動け。藍はそっちだろ」
藍「ぁ...あぁ、行って来る」

何だろう、戸惑う。
いつもこんな感じのはずなのに、戸惑う。
廊下を歩いていると誰かに腕を掴まれた。
振り返ると龍斗だった。
ゾワゾワするのは何でだ。
私は龍斗の手を払った。

龍「？...藍？どうし─」
東「藍ちゃ〜ん！」
藍「来るな！来ないでくれ」

分からない。
頭がグシャグシャになって理事長室に走った。
私が会いたいのは洸じゃない。
皐月に会いたい。

皐「？...藍、教室に─」

皐月の姿を見るなり、私だ抱きついた。
受け止めてくれた皐月は困惑した様子で私を見下ろした。