ケータイ小説 野いちご

桜花の幻想

たった今、先輩とすれちがった。

ついこの間まで一緒に笑い合っていたのが

嘘だったかのように、

まるで赤の他人のように、

お互い、見えないフリをした。

あの日突き放してしまってからも、

変わらずかわいい先輩がいた。

すれちがい際の何でもないような先輩の笑顔に

反射的に、無意識のうちに、

つい引き止めてしまった過去の自分を捨てて

前に進み続けた。


もうふり返らない。


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