「辛いのは、薬で少しはラクになるから」 杏は先生からまた薬を飲ませてもらうことになるなんて、 正直思ってもみなかったが、こんな状況で選択肢はない。 心の準備をしながら待っていたが、 先生は一向に薬を飲ませてくる気配がなかった。 不思議に思って横を見ると、 白い手袋をはめて、真剣な様子で何やら準備をしている。